5474人が本棚に入れています
本棚に追加
/465ページ
「ち、ちょっと」
「明里さん、俺、パン持っていくよ」
「え? あら、ありがと」
翔さんはさっさとキッチンの方に行ってしまい、ママと話なんか始めてしまう。明らかに、逃げた。
そんなにいけないこと、訊いたんだろうか?
でも、大事なことだと思う。教えて欲しいのに……。
何か話して笑い合っている翔さんとママを恨めしく見つめながら、仕方なく目玉焼きをフォークで口に運ぶ。
たぶんママもこっちに来て食べ始めるんだろうし、答え訊けない……。
そう思った瞬間、ふとあることを思い出した。
そうだ。結局それもまだ訊けてない。
この間見かけた、翔さんと一緒にいた女の人。あれ、誰なの──って。
.
最初のコメントを投稿しよう!