また、日常の幕開け

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  「ち、ちょっと」 「明里さん、俺、パン持っていくよ」 「え? あら、ありがと」  翔さんはさっさとキッチンの方に行ってしまい、ママと話なんか始めてしまう。明らかに、逃げた。  そんなにいけないこと、訊いたんだろうか?  でも、大事なことだと思う。教えて欲しいのに……。  何か話して笑い合っている翔さんとママを恨めしく見つめながら、仕方なく目玉焼きをフォークで口に運ぶ。  たぶんママもこっちに来て食べ始めるんだろうし、答え訊けない……。  そう思った瞬間、ふとあることを思い出した。  そうだ。結局それもまだ訊けてない。  この間見かけた、翔さんと一緒にいた女の人。あれ、誰なの──って。 .
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