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ごみの入ったビニールを反対の拳でゴツゴツ殴るようにしながら、大輔はたぶん昨夜の翔さんの動きを再現している。
「だから危ねーところウロウロしてないで早く帰っちまえよ、なんて思ってたのに、翔さん戻ってくるからめっちゃ焦った。まあ、案の定ハラ立ったらしくて、お前のこと連れてったけど」
「そういうことだったのかぁ……」
それなら、翔さんと大輔が同じようなことを言ってたのも納得できる。
大輔が翔さんの気持ちを判って、私に帰れって言ってたんだ。翔さんならそう言うんだろうと思って。
……恵まれてるなぁ、私……。
昨夜の自分がいかに無防備でいたかを思い出し、そこでのたうち回ってしまいたくなる。
本当に、頭の中の働き方まで変わってしまったような気がしてしまう。
自分のあまりの変化に、自分が一番驚いていた。
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