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「だから、今は男同士バイクで走ってワイワイやって、それでいいんだ。知らない女とイチからめんどくさい答え合わせとかさ。なんかもう、ホントめんどくさいし」
しんみりしたりせずに、軽く笑って欲しい……そんな大輔の気持ちが伝わった。
「なんか、すごいおとなの人が言うみたいなこと言ってる……」
私がそう言って笑うと、大輔は何でもないことのように微笑む。
「だって、本当にそうなんだって。円香と付き合ってて、ずっと思ってた。“ああ、オレのこれまで、この女の為にあったんだなー”って」
「ええ?」
「オレがマセガキだったのも、やたら記憶力いいのも……自分で言うのもなんだけど、わりと辛抱強いところもさ」
それは事実だと思う。
でも、今話してるのはそういうことじゃないし、私が肯定するところじゃない気がした。
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