Epilogue・きみの瞳にぼくを映して

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  「気が済んだか?」  フッと笑う翔さんの隣で、私は恥ずかしさを伴ってコクンと頷いた。  今日は夕方には上がる、という翔さんのメールで、もうひとつ私には気になることがあったことを思い出した。  今朝は、早すぎてそれが確認できなかった。 “わしづか”の接客で働いているという、翔さんの元彼女……。  私はてっきり、この間いっしょに歩いていた人がそうなんだ、って思い込んでいたけど。  それは歩夢さんという普段は男の人であることを知ったとはいえ、私のどうしようもない好奇心が疼いてしまったんだ。  だって、やっぱり、どんなひとなのか見てみたい……。  だから、翔さんが上がってくる時間を見計らって、つい来てしまった。今日は日曜日だったし……。  そのまま私の家に来てくれるつもりだったらしい翔さんは、「どうかしたの」って訊いてきた。 .
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