Epilogue・きみの瞳にぼくを映して

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   これ、自分で言っちゃっていいのかな、とか思って。 「何、言いかけてやめるなよ」 「いや……自惚れ、って言わない……?」  私の問いに、翔さんは一瞬眉根を寄せる。  でも、すぐに意味が判ったみたいで、ニヤッと笑った。 「言わないよ」  判ったくせに、私に言わせようとする。悔しくなったけど、私が始めた話だ。 「だからっ。翔さんも高校生のとき、さっきのひとと色々あったから……だから私に優しくしてくれるんだろうなって、そう思ったの! そうしたら、やきもち飛んで行ったの!」 「ハハ、よく言えた」  翔さんは嬉しそうに顔を綻ばせると、握った手でそのまま私を引き寄せて、もう片方の手で頭を撫でてくる。 「言ったそばからなんだけど、今の言葉撤回したい……」 「なんで。真琴のその考え方、すごく好きだけど、俺」 .
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