Epilogue・きみの瞳にぼくを映して

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   サラリと“好き”と言われて、顔が熱くなる。  すぐにそんな反応をしてしまう程度には、私は翔さんに参っている。 「だ、だって。ずっと翔さんは優しいけど、なんか」 「なんか、何?」 「……昨夜くらいから、翔さん、優しくない。意地悪だもん……い、色々……」 「……あー……」  私の言葉に心当たりでもあるのか、翔さんはその場に立ち止まると、手で顔を覆ってクスクスと笑い始める。 「それは、あれだ。しょうがない」 「なに?」 「好きな娘ほどイジメたい、男のどうしようもない本能みたいなもの?」 「……」  また、“好き”って言った……。  自分でもバカみたいと思うけど、いちいち嬉しくて仕方がない……。 .
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