Epilogue・きみの瞳にぼくを映して

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   そのままゆっくりと翔さんが歩き出して、手を引かれた状態の私はフラフラとそれについていくだけになる。 「こういうの、付き合い始めで浮かれてる今しか言ってやれないかも知れないから、よく聞いてろよ」 「う、うん」  翔さんは頼りなくついていくだけの私をチラ、と振り返る。  何か言いたげな顔でしばらくそうして私の顔を見たあと、また前を向いてしまった。 「真琴のこと好きだって自覚するまで、俺、知らなかったんだよ」 「え?」 「女を好きになるのって、どういうことかとか、そういうの。可愛いなとか、気に入ったとかはあったんだけど」 「……そう、なの……?」 「だから、安心してて。俺にとってお前は、他のどの女とも同じじゃないから。特別中の特別、だから」 「翔さん……」 .
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