吸血鬼のおもてなし

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「…おい…起きろ」 「……はい」 朔夜はゆっくりと目を覚ました。 目の前には吸血鬼がいるというのに、さっきとの態度とは違い、どこか違う雰囲気が漂っている。 ここは、どこかの部屋だろうか、 棚や瓶、ベッドなどが置いてある。 「こっちにこい」 吸血鬼は静かに言うと指をパチッと鳴らした。その瞬間、扉は勝手に開き、吸血鬼と朔夜が出た瞬間にバンッとしまった。 「……」 朔夜は黙って吸血鬼についていく。 すると、一つの大きな広間についた。 真ん中には縦長の大きなテーブルが置かれており、端と端には椅子がおいてある。 「そこに座れ」 吸血鬼が静かに言うと、朔夜はコクっと頷き、椅子を引いて座る。 吸血鬼は、向かい合わせの少し離れた端の所の椅子に座り、 「俺の名は、《羅希亜》という。羅希亜と気軽に呼べ。なぜなら、お前は俺の《下僕》になるのだから」 と、朔夜に言った。 「…はい」 朔夜は短く返事をすると、先ほどいた部屋に、戻っていった。
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