吸血鬼のおもてなし

4/5

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「勠亜。俺の物に手を出すとは、良い度胸じゃないか」 そこに立っていたのは、《羅希亜》だった。 飛んできた朔夜を柔らかくキャッチし、抱き寄せると羅希亜は、勠亜と同じように指で円を描き、指を鳴らした。 すると 「うっ…ぁ…」 勠亜が首を抑えて苦しみだした。 そして 「あれっ、ここどこだ?」 巽も目を覚ます。 なにが起こってるのかも把握できてない状態で首を傾げている。 「…この次、俺の物に手を出したら…その時は、分かってるな?」 羅希亜は勠亜に向かって言うと再び指を鳴らした。 「っはぁ、はぁ…はぁ。」 荒く息をあげる勠亜。 涙目で羅希亜をみると 「もぅ…しねぇ」 と、観念したように言う。 その時、巽が勠亜に近づいて、 「大丈夫か?」 と話しかけた。 部屋であった出来事などは覚えていないらしい。 「巽!そいつは…んぐっ」 《そいつはお前にひどいことを》と言おうとした朔夜は羅希亜に口を塞がれた。 「お前もお仕置きだ」 朔夜の耳元で囁くとまた指を鳴らした。 すると、朔夜はお酒を飲んで酔ったかのようにフラフラになりその場に座り込む。 「…なんだぁー、これぇ…」 酔っ払いのように物に当たっては倒れそうになりを繰り返しはじめ、 それを見てる羅希亜は「クスッ」と笑って楽しんでるように見える。 「おい、お前。とりあえずあそこのベッドで寝とけよ?」 巽はいまだに勠亜に話しかけ無視されるを繰り返していた。 「(なんだ…こいつ)」 勠亜はゆっくりと立ち上がると疲れきった表情をし巽の首筋にいきなり噛みついた。 「…お…い…」 巽は血を吸われながら意識を保てなくなったのか気を失った。 「朔夜、お前もそろそろ帰れ」 酔ってる朔夜を抱き寄せると首筋に歯を刺し、出てきた血を吸い気を失わせた。 そして……。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加