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眠い目を擦りながら
僕は自分の部屋のドアを開け
ベッドに潜り込んだ。
いつもと変わりない朝だった。
机には数学の問題集が
開きっ放しになっていた。
僕は、昨夜のことを鮮明に覚えていた。
制服に着替えて部屋を出て
僕は向かいの祖母の部屋のドアを見つめた。
ノブを握り
ゆっくりとドアを開けた。
そこには
足の折れたソファーや
古いステレオ
弦の錆びたギターや
色褪せた食器棚などが
隙間なく積み上げられていた。
全てのがらくたが
うっすらと埃を被っていた。
砂漠など何処にもなかった。
夢だったのだ。
僕はそう考えた。
或いは
ただの見間違いか。
扉の向こうが別世界になっているなんてのは
映画や小説の中だけのことだ。
ここは現実の世界だ。
そんなことある訳がない。
ただ単調で退屈な日常が
果てしなく繰り返されるだけだ。
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