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「流~ご飯よ。早く食べないと時間なくなるわよ。」
母さんの声を聞いてようやく頭が冴えてきた。
(そうだよ!俺今日から高校生だぜ!?やっぱ明るく笑っていかなきゃな。)
そう思うと何だかワクワクしてしばらくそれだけで胸が埋め尽くされた。
バスの時間がかなり迫っていたので掻き込むように朝食を平らげバス停に走った。
「ふぅ~。間に合った。」
信号で多少時間は取られたが残りの道をほぼノンストップで全力疾走したのでギリギリ間に合った。
同じ皇崚高校の生徒もいたがみんな友達と新しい学校やクラスについて盛り上がっているようで気にも止めていなかった。
俺は適当に空いていた後ろの方の二人掛け椅子に座ってー決してあの2人に流された訳ではないがーこれからについて考えてみた。
(まぁ初めはとりあえず笑ってりゃいいよな~。ニコニコしてりゃ印象はよくなるし第一印象は大事って姉ちゃんも言ってたし。)
初めは気楽に構えていたが頭に過去の記憶が流れる度に不安ばかりが出てくるようになった。
(大丈夫だ…今の俺は前の俺とは違う、俺は変わるためにここに来たんだ!)
そう自分に言い聞かせるようにして無理矢理落ち着かせた。
しかし意外にも長く悶絶していたらしくいつの間にかバスに乗っていた同じ学校の奴らは全員降りていてバスは知らないところに向かっていた。
「やっべ。」
俺は慌ててバスを降りて学校に向かった。
幸い元々降りる予定だったバス停から1つずれていただけだったらしいが慣れない通学路で少々迷って学校に着いたのは少し遅かった。
「まぁここらへんの地理とか全然知らねーもんな。風景とか全く分かんねーし仕方ねぇか。他にも生徒いてラッキーだったな。」
大して気にもせず校門をくぐっていった。
新しく始まる高校生活はどのようになるのだろうか…
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