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因みに此処は俺の家。……いや、『俺の』という表現は、やや不適切だな。
街から離れた場所にポツンと佇む、二階建ての一軒家。ここに去年の春、俺は引っ越してきた。
ちなみに、此処を提供してくれたのは、叔父である海斗(かいと)さんの知り合い。なんでも、転勤で明け渡す事になったから、海斗叔父さんがそれを受け継いだらしい。
今思えば、あの人の人脈は分からない点が多々ある。人は見かけによらず――ってトコだと思うけど。
奏「~~んぅ……陽向?」
陽向「?」
俺が回想に浸ってると、奏が目をこすりながら、まだ開ききってない瞼で俺を見上げてきた。
とても同い年には見えないそんな幼気な仕草に、俺は苦笑を浮かべ、その栗色の長い髪を撫でてやった。
途端に頬を赤く染め、すぐにまた枕に顔をうずめた。
相変わらずだな……などと少し惚気た感想を抱きつつ、先にベッドから出る。
そして、なんの断りもいれずにシャツを脱ぎ捨てた。
奏「きゃ!///ちょ、いきなり……しないでよ!//」カァッ
陽向「いや、俺の部屋だし。……ってか、そんなに見てられないか?俺の体」
奏「違っ……!///」
布団を鼻まで上げるが、それ以上は上げないトコを見る限り……
陽向「……しっかり見てるじゃねぇか」
奏「に”ゃっ!////」
『に”ゃっ』て。
いちいち可愛い反応するなよ。言った俺が恥ずかしくなる。
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