♭0・新たな始まり

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因みに此処は俺の家。……いや、『俺の』という表現は、やや不適切だな。 街から離れた場所にポツンと佇む、二階建ての一軒家。ここに去年の春、俺は引っ越してきた。 ちなみに、此処を提供してくれたのは、叔父である海斗(かいと)さんの知り合い。なんでも、転勤で明け渡す事になったから、海斗叔父さんがそれを受け継いだらしい。 今思えば、あの人の人脈は分からない点が多々ある。人は見かけによらず――ってトコだと思うけど。 奏「~~んぅ……陽向?」 陽向「?」 俺が回想に浸ってると、奏が目をこすりながら、まだ開ききってない瞼で俺を見上げてきた。 とても同い年には見えないそんな幼気な仕草に、俺は苦笑を浮かべ、その栗色の長い髪を撫でてやった。 途端に頬を赤く染め、すぐにまた枕に顔をうずめた。 相変わらずだな……などと少し惚気た感想を抱きつつ、先にベッドから出る。 そして、なんの断りもいれずにシャツを脱ぎ捨てた。 奏「きゃ!///ちょ、いきなり……しないでよ!//」カァッ 陽向「いや、俺の部屋だし。……ってか、そんなに見てられないか?俺の体」 奏「違っ……!///」 布団を鼻まで上げるが、それ以上は上げないトコを見る限り…… 陽向「……しっかり見てるじゃねぇか」 奏「に”ゃっ!////」 『に”ゃっ』て。 いちいち可愛い反応するなよ。言った俺が恥ずかしくなる。 ‡
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