♭0・新たな始まり

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‡ ――― ― 陽向「奏、早くしろよ!」 奏「お待たせっ!……ん~~っ!スゴくいい天気♪」 陽向「そうだな……」 雲一つない快晴の空を見上げ、俺達はちょっとの間、何もないそこを瞳に映していた。 すると、 ヒカリ「ワンッ!」 陽向「うわっ!ヒカリ!?」 奏「朝から元気いっぱいだね♪」 ヒカリ「ワフ♪」 ヒカリっていうのは、去年のちょうど今頃、俺のもとに転がり込んできた赤毛の柴犬の事。 人懐っこく、それでいて子犬独特の元気な振る舞いは、見てる人を癒やしてくれる――そんな気分にさせてくれる。 奏「ヒカリちゃんも一緒に行こっ♪」 ヒカリ「ワフ?」 陽向「お前はバカか!」 奏「ヒドい!?」ガーン ヒカリ「……!」ガーン 陽向「……なあヒカリ、本当に分かってんじゃないの?」 ヒカリ「?」 ……たまに、ほぼ完璧なリアクションをするから、人の魂でも入ってんじゃないかとも思う。 まあ、並以上に感性が強いって事で、俺や奏は理解しているんだけども。 陽向「……ほら、ヒカリはいつも通り、留守番頼むな?」 ヒカリ「ワンッ!」 奏「頷いたね……」 陽向「いちいち気にしてたら頭パンクするぞ。……ほら、時間もあまりないし」 奏「わ、本当!よっし、陽向!どっちが早く船着場に着くか、いざ……れっつごぅ♪」 陽向「ちょ、待て!」ガシッ 奏「ぅきゅ!」 陽向「お前はそう言って転けるだろ!それを気にして走れねえよ!」 奏「だ、だからって襟首を掴んで引き止めないで!//変な声が出て恥ずかしいから!//」 陽向「いや……つい、な」 変じゃないよな。可愛いよな、うん。 ‡
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