♭2・彼女と従妹

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‡ ――ガチャッ、 陽向「ふあ……よく寝た――って、なにやってんだ?」 リビングに入ってまず目についた光景は、奏と優花が抱き合うようにして体を寄せ合い、顔を真っ赤にしてこっちを見ているという、まったく状況が把握出来ない状態。 陽向「……奏?優花?」 奏「あ……よ、よく寝てたみたいだね?」 陽向「ああ……なんか落ちてたみたいだ。ふぁ……」 優花「ほんと、ヒナ兄って無防備だね?」 陽向「は?」 優花「えいっ!」ドンッ 奏「ひゃっ!?」 陽向「んなっ!?」 ――ドサッ、 突然背中を突き飛ばされた奏は、止まる事も出来ないまま俺にぶつかり、不意を突かれた俺は彼女を受け止めながら後ろ向きに倒れた。 ――ガンッ! 陽向「な”っ!?」 奏「陽向!?」 ……後頭部を壁に強打した。頭をさすると、なんかタンコブでも出来たような腫れを感じる。 というか、軽い脳震盪が……ああ、クラクラする。 奏「陽向、大丈夫?すごい音したよ?」 陽向「お、おう。……心配するなら、体勢戻させてくれ。正直きつい」 奏「えっ……あ、ごめん。すぐ――」 俺の上から退こうとした奏は、横目で何かを見たのかハタと固まった。 その視線の先を追うように見ると、変わらぬ表情の優花。 ――なのだが、どうもおかしい。……確か、優花がこういう違和感を感じさせる表情を見せる時は、決まって何かが起こる。 悪感というのか、そういう類の――あ。 とある節に思い当たるのと、目の前に奏の顔が近付いてる事に気付いたのは、ほぼ同時。 なんとも有耶無耶の内に、俺は彼女からキスされた――という事。 ‡
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