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奏「うにゅ//……すぅ」
陽向「はぁ……」
なんとか夕飯を食べ終わり、酔いが覚めない奏をなんとかソファに寝かしつけた俺は、深い溜め息をついた。
膝枕で寝かせたのは失敗だった。まあ、こうなった以上は仕方ない。自分のミスだ。
思わず、また溜め息をもらす。
優花「ヒナ兄、洗い物終わったよ」
陽向「優花……」
後ろのキッチンから優花がタオルで手を拭きながら歩いてきた。
隣のソファに近寄ると、身につけていたエプロンをはずし、丁寧にたたんでテーブルの上に置く。
その慣れた手つきに、俺は思わず「へぇ」と感嘆の声を漏らした。
優花「?ヒナ兄、どうしたの?」
陽向「ん……いや、優花も家事が出来るまでになったんだなと思って、可笑しくなっただけだ」
優花「私だって家事くらい出来るよ!」
陽向「ああ、いや……そういう事じゃなくてだな」
優花「?」
分からない顔をする優花に苦笑を浮かべ、俺は寝息をたてている奏に視線を落とした。
陽向「……なんか、子供の成長を喜ぶ親みたいで、俺って可笑しいな――ってね」
優花「1つ上の親って、なんか危ない内容の……というか、R指定でありそうでやだ。こう、母親の再婚相手が自分の先輩で、次第に関係を持つ、みたいな……」
陽向「……優花?」
優花「……そういう裏設定ないかな?私とヒナ兄」
陽向「真顔で設定言うな。ないから」
優花「……フラグは立たなかった!」
陽向「一生立たねえからな、そんなR指定のフラグ」
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