6人が本棚に入れています
本棚に追加
………………………………………
けたたましいチャイムの音で拓海は目が覚めた。
眠い目を擦りながらよたよたと玄関に向かう。
ドアを開けると、優海が立っていた。相変わらずニコニコしていたが、朝は苦手なのだろう。血があまり通っていない、白い顔をしていた。
だからといって顔色が悪いわけではない。多分低血圧なのだろう。
「おはようございます。拓海君。」
優海がにこやかに挨拶した。拓海はあくびをしながら、「おう」 とだけ応えた。
「準備が出来るまで少し待っててくれ。」
拓海の言葉に優海は軽く頭を縦に振った。
拓海はドアを開けたまま、自室に戻り身支度を整えた。
朝食は携帯食。毎日のことだからあまり気にならない。
「ごめん、待たせたね。学校行こうか。」
やっとのことで準備が終わり、優海と学校に向かった。
相変わらず眠そうにしている拓海を、優海は笑顔で見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!