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学校に着くと、教室はいつものように騒がしい様だった。
優海とは別のクラスなので、教室の前でお互いに別れを告げると、それぞれの教室に入った。
拓海は足早に自分の席に座った。と、座るとほぼ同時に、一人の青年が話しかけてきた。
「よお拓海!朝っぱらから蘭[アララギ]とデートか?」
「そんなんじゃないって!いつも言ってるだろ?」
この青年の名は【岡崎 蓮[オカザキレン]】。拓海の友人であり、よき理解者だ。優海同様に、親しく話せる人間のひとりだった。
真っ黒な髪をかきあげながら、蓮は笑いながら言った。
「そんなこと言って…。もう、できてんだろ?」
その言葉に、拓海は「そんなんじゃないって!」と、叫んだ。
と、それと同時にチャイムがなった。教師が教室に入ってくる。皆はガタガタと音をたてながら、自分の席についた。
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