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教師が朝のホームルームを始めた。皆は話を聞かずに退屈そうにしていた。
拓海は一番後ろの窓側の席なので、やはり人目を気にすることなく、窓の外を見ていた。
「えー、今日は皆さんに紹介したい人がいます。今日からこの学校に転入してきた、【速水 芽生[ﾊﾔﾐﾒｲ]】さんです。」
転入。その言葉に反応し、皆は一斉に教室の入り口の方を向いた。
曇りガラスにうっすらと、その転入生の影が映っているのが見える。教室の外に待機しているのだ。
芽生……名前からして、おそらく女の子だろう。皆はワクワクしながらその子が教室に入ってくるのを待った。
「それでは、芽生さん、入ってきてください。」
教師がそう言った。皆がゴクリと唾を飲んだ。拓海は相変わらず窓の外を見ていた。
ガラガラと音をたてて扉がゆっくりと空いた。
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