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授業は終わり、今は放課後だ。
皆、自分の所属している部活動で活動していた。
しばらく拓海は、蓮とたわいもない話をしていたが、蓮も部活があるので、拓海に別れを告げると部活にいってしまった。
拓海は、特にすることもないので、部活をサボって家に帰ることにした。
荷物をまとめ、校舎から出る。
と、校門の前に一人の男が立っている。上下黒いスーツに身を包み、メガネをかけた男だった。
「…なんだあいつ…。」
考えるよりも先に、言葉が出た。
とにかく早く帰りたかった拓海は、その男を無視して足早に家に帰ろうとした。
と、そこで気づく。
あの男は、ずっと拓海のことを見ているのだ。
余計に気味が悪くなり、拓海はその場から走り去った。
男は追ってこようとはしなかった。
ただ、一つ溜め息をつくと、ゆっくりと歩きだし、どこかへ行ってしまった。
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