第一話 【EARTH】

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………………………………………‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥…… 一人の男が夜の森を走っている。 森といっても、宇宙船のなかなので、人工の森だ。 その男の容姿は、黒いスーツに身を包み、メガネをかけている。 そう。拓海が帰り際に校門の前で見た男だ。 その男は、額に汗を浮かべている。 それも、走る疲労による汗ではなく、焦りからくる汗。 男は焦っているようだった。 やがて男は、ある場所にたどり着く。ここら一帯はなぜか木が生えていない、不思議な空間だった。 すると男は、地面を素手で掘り始めた。みるみるうちに手が土色に染まる。 男はしばらく穴を掘っていたが、ある程度掘ったところで、手を止めた。 掘っていたのは入り口。 手を止めたのは見つけたから。 男の視線の先には、土まみれの、見るだけで頑丈だとわかるような扉が、地面に顔を出していた。
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