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いつものように授業をして、昼休みになった。
皆、弁当を広げ、旨そうに食べている。
相変わらず、隣の芽生は黙ったまま、黙々と昼食を摂っている。
優海も一人で食べているようだった。そういえばいつも一人で食べているのに気づいた。
「お前何見てんだ?」
その声でハッとした。前を見ると、頬杖をついた蓮がニコニコ……いや、ニヤニヤしながらこちらを見ていた。
いつも拓海は蓮と昼食を摂るのだが、楽しい気持ちもあり、少し鬱陶しい感じもした。
「別に、何も見てないよ。」
「本当かあ?また蘭でも見てたんだろ?」
「見てないから!」
蓮の言葉が図星で、拓海は少し恥ずかしくなり、つい大声を出してしまった。
が、蓮は頬杖をついていた腕を組み替えると、言った。
「良いんじゃんない?人が人を好きになるのは当たり前なことだと思うが?」
その言葉に、拓海は余計に恥ずかしくなり、サッと蓮から目をそらし、窓の外を見た。
と、拓海の表情が固まる。
それに気づいた蓮は、拓海の見つめる方、窓の外を見た。
その瞬間、蓮の表情も強ばった。
二人の視線の先には…そこには、信じられないモノがあった。
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