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「───よし、じゃあここまでがテスト範囲だからな~。ちゃんと復習しとけよ~?」
先生の声で我にかえる。別のページをずっと見ていた。
拓海[タクミ]は軽くあくびをすると、スクリーンに映し出された文字列をタブレットに写し始めた。
現在は、新西暦512年。人類が地球を出てから約15年経った。らしい。教科書にはそう書いていた。
未だに新たな惑星、人類が移住するのに適した惑星は見つからない。
ここは巨大宇宙船【EARTH】。地球と環境がそっくりに再現されている宇宙船だ。
人口太陽が宇宙船内に浮かび、船内の温度調節も可能なので、年中快適だ。
人類の技術もかなり発達した。バイオテクノロジーにより、半永久的に、人工で、植物、水などを生成することに成功した。
そしてこの青年、名は【瀬川 拓海[セガワタクミ]】という。
彼の両親は科学者だった。この宇宙船の作成のための基本原理の案を出したのも拓海の両親だった。
しかし、あの事件が起きた。
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