第一話 【EARTH】

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しばらく二人の間には、なんとも言えない複雑な空気が停滞しているようだった。 「──貴方が──。」 芽生が口を開いた。 「貴方が私を必要とするなら────。」 そこまで言って、芽生は喋るのを止めた。 今度は拓海が口を開いた。 「お前…あのデカイ奴のこと、何か知ってるのか?」 その問いに芽生は答えなかった。が、 「必要とするときは、言って。」 とだけ言うと、どこかへ行ってしまった。 残された拓海は、多々呆然と立っていた。 「っ!そうだ!優海!!」 優海のことを忘れていた。今、彼女は大丈夫なのだろうか。 拓海は近くにあった上着を掴み、部屋から飛び出した。
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