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しばらく二人の間には、なんとも言えない複雑な空気が停滞しているようだった。
「──貴方が──。」
芽生が口を開いた。
「貴方が私を必要とするなら────。」
そこまで言って、芽生は喋るのを止めた。
今度は拓海が口を開いた。
「お前…あのデカイ奴のこと、何か知ってるのか?」
その問いに芽生は答えなかった。が、
「必要とするときは、言って。」
とだけ言うと、どこかへ行ってしまった。
残された拓海は、多々呆然と立っていた。
「っ!そうだ!優海!!」
優海のことを忘れていた。今、彼女は大丈夫なのだろうか。
拓海は近くにあった上着を掴み、部屋から飛び出した。
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