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拓海の両親が死んだあの日。
あの日は、ついに宇宙船が宇宙に飛び立とうとしていた日だった。
新西暦498年7月5日 【B・0 事件】
あの日、EARTHの飛行前の最終メンテナンス中に、急に地殻変動が起きた。
メンテナンスに携わっていたのは、拓海の両親だった。彼らはギリギリまで作業を続けていた。辺りががマグマで覆われ、灼熱の中でも作業を続けた。
すでに搭乗を終えた、多くの人々のために、EARTHのために。
そして、メンテナンスは終了し、彼らは船に乗ろうと、作業場を立ち去ろうとした。
そこから先は、誰もわからない。
教科書や書物に書いてあるのはここまで。しかし、拓海の両親がどうなったのか、答えは誰でもわかった。
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