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唐突に優海が話しかけてきた。
「ちょっと拓海君?聞いてました?」
「え?何が?」
「だから、今話したことですよ。…聞いてました?」
「あーっと……。」
どうやら、過去を回想していたせいで優海の話をすっ飛ばしてしまっていた様だ。
拓海は頭を掻きながら言った。
「えーっと……聞いてなかった。ごめん。」
「…………。」
その言葉を聞いて、優海は呆れたように大きく溜め息をついた。
「…あのな、俺にだって色々とあるんだよ。色々と考えたり、色々と───」
「はいはい!もう、わかりましたから。もう一回話しますよ…。」
拓海の言い訳を遮るかのように、優海が折れた。
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