第一話 【EARTH】

7/30
前へ
/54ページ
次へ
優海は軽く深呼吸をしてから話し始めた。 「ほら、もう私たちも高校生じゃないですか?」 「ああ、そうだな。まあ、まだ受験前だけどな。」 そう。二人は中学三年生。受験シーズンを迎えている。 「それで、拓海君はどこの高校へ行くのですか?」 「んー。でも、この宇宙船の中にある学校は少ないからな…。まだ決めてないが、そのうち行ける学校が限られてくるんじゃないか?」 「うーん…。」 優海はどうやら拓海と同じ学校に行きたかったらしく、そのために拓海の志望校を訊いたのだが、曖昧な返答に少し困ってしまった。 そんなことは露知らず。拓海はさっさと歩き出してしまった。 「あっ、ま…待ってくださいよー!」 優海もそれを追いかけて走り出した。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加