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その後、優海に別れを告げ、拓海は自分の家に帰ってきた。
鞄を適当に放り投げ、乱暴に椅子に座った。
深い溜め息をつく。かなり疲れが溜まっていたようだ。
「高校か…。」
椅子に深くもたれかかり、軽く頭をひねる。首からボキボキと音がなった。
また溜め息が出る。
拓海は、両親のことをほとんど覚えていない。
唯一の記憶は、両親がこの宇宙船の製作に大きく関わっていたこと、そして、叔父が持っていた写真のみだ。
拓海の両親は、拓海の目の前で爆発に巻き込まれて死んだ。と、叔父に聞かされた。だが、拓海はそれすらも覚えていない。
生まれてから数ヵ月で親の死に直面した。なのに何も覚えていない。そんな自分が少し憎かった。
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