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彼女が睡眠薬でも飲まない限り、まだ眠りには落ちてないはずだから、思い切って声を掛けると、彼女は、目の上に置いた腕を外して、チラッと、顔を振り向けた。
「あの・・・・こんばんわ」
「・・・・え?」
「え?」
ココには、私と彼女だけ。
視線だってガッチリ合って、私は笑顔で挨拶してるのに、彼女は不思議な顔をするから、私も不思議な顔をしてしまった。
「私?」
「うん。こんばんわ」
「こ、こんばんわっ!」
自分に言われたと思って無かったらしく、彼女は慌てて身を起こすと座り直し、挨拶しながら、乱れた髪や服を直す。
「毎日、ココにいるよね?」
「う、うん」
「誰かと待ち合わせしてるの?いっつも1人だから」
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