公園の女

6/13
前へ
/62ページ
次へ
「宮田さんは、部活入ってないの?」   「中学の時に、足やっちゃって、激しい運動出来ないんだよ。軽くランニングするぐらいしか。体動かすの好きだから、それで我慢してる」   「へぇ。私、運動は苦手だから。て言っても、文化部に入ってるわけでもないけど」   「毎日ココにいるけど、なんで?」   話の流れで、部活に入ってるわけじゃなく、誰かを待ってるわけじゃない彼女が、ココにいる理由が気になっただけで、そう尋ねたけど、彼女は言葉に詰まり、少し寂しげな笑みを浮かべた。   「あ、話したくないならいいけど、あんまり暗くなると危ないしさ」   「ありがと。私は大丈夫だから」   「え?・・・・あ、護身術とか知ってるの?あたし、そういうの興味あるんだよね」   「ううん。運動は本当に苦手だから」   「でも、大丈夫って・・・・」   「大丈夫なの。私、幽霊だから」    
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加