公園の女

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彼女の言葉を一瞬理解出来なくて、少し固まった後、一般的な幽霊の姿が頭に浮かんで、怪訝な顔をした。   「はぁ?」   「幽霊だから大丈夫なの」   「いやいやいや。それは、あまりに低レベルなギャグだけど」   「本当だよ。触ってみる?」   彼女が自分で言ったのに、それを信じられない理由は、ただ1つ。   だって彼女は、透けてるわけでもないし、光ってるわけでもないし、足が無いわけでもないし、浮いてるわけでもないから。   私が思い描く幽霊像をことごとく裏切り、どこから見ても生身の人間に見える人を、どうして幽霊と信じれるだろうか。   触ってみる?と言われ、差し出された手だって、透けてるわけじゃない、色白な綺麗な手をしてる。   それを見つめている私に、彼女は手を近づけて、私の腕に触れ・・・・た?   「・・・・え?」    
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