偽物

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カサリとポストの中で音が鳴る。 遥は音の正体を掴んで引っこ抜いた。 そして遥は固まった。 「?!」 *** ケータイに繋いだイヤホンからは流行りの曲は流れない。 マイナーなバンドの曲ばかりだ。 ふとボーカルの歌声が途切れた。 「んー?」 ケータイを開いて着信を見ると…… 「笹島……?」 歌を聴いていたい気持ちもあるが仕方無くイヤホンを引っこ抜いて着信を取る。 「柳君!!」 電話を取るなりいきなり遥が叫んだ。 「てっ」 耳鳴りが一瞬した。
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