初恋

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これだけ無視されながらも要は楽しげだ。 「あはは、ホントはさ、隆一君はさ、ああ見えて優しいんだよ。あれでちゃーんと相手のこと考えてるんだよね~」 考えてる……? 意味が解らず遥は怪訝な顔をした。 「例えば?」 「例えば……か。えーっとねぇ……」 「おい笹島。依頼だ」 「ん?え、ちょっと?柳君!?」 「ちゃんとやれよ。前みたいにヘマしたらタダじゃ済まさないからな」 颯爽とその場を立ち去った隆一。 遥は呆然と隆一の背中を見送った。 「ほっほぉ、黙ってた方が身の為なのかねぇ」 「え?何でですか?」 「依頼内容何?」 「へっ?ええと……」 明かに話題を逸らした要だが、遥は気付かず依頼書と言われるものに目を向けた。
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