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「名前!!」
「さ、笹島ですっ!」
ほぼ反射で自己紹介。
ただし目線は隆一である。
「……?」
怪訝そうに門崎は二人を見つめた。
だが隆一は色んな視線を丸無視しガタガタと椅子へ座る。
「では、早速ですがー。依頼内容についてお話を伺ってよろしいでしょーか?」
と、遥は隆一と不意に目が合った。
「……なんだ?」
「……いえ」
「依頼者だけ見てろ、俺なんか見てるな」
「あっ、ごめん」
慌てて門崎に視線を戻した。
「あの初恋なんですけど、彼に告白したくて……」
「ほお」
小さなメモ帳にペンでスラスラとメモを取る。
そんな隆一の隣でフワフワした感覚に陥る遥。
横目で隆一を盗み見た。
そいや柳君と一緒だなんて、初めてだな……。
不思議な感覚がする遥をよそに隆一はメモ帳にペンを滑らせる。
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