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「じゃあな」
「ばいばーい」
軽い挨拶をして別れる。
学校付近から遥と隆一の家路は正反対だからである。
「そうだ、今何時……?」
慌ててケータイを取り出す遥。
と、固まった。
「あと十分……!」
七時までのタイムリミット。
遥はローファーで走り出した。
次は本当に殺されるかも知れない。
遥の脳裏には兄の顔がちらつく。
体力テストでも発揮しなかった速さで町内を駆ける。
止まったら死ぬ気がして、息すらまともに吸わずに走って行く。
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