偽物

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*** 「じゃあな」 「ばいばーい」 軽い挨拶をして別れる。 学校付近から遥と隆一の家路は正反対だからである。 「そうだ、今何時……?」 慌ててケータイを取り出す遥。 と、固まった。 「あと十分……!」 七時までのタイムリミット。 遥はローファーで走り出した。 次は本当に殺されるかも知れない。 遥の脳裏には兄の顔がちらつく。 体力テストでも発揮しなかった速さで町内を駆ける。 止まったら死ぬ気がして、息すらまともに吸わずに走って行く。
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