01 「双子の転校生」

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「おー、コラ、座れお前ら。おはようさん。おい、そこ、志堂!3ds学校に持ってくんなっつったろ!」 朝から先生の野太い声が響き渡る不良校。 それがこの 私立中丸高等学校。 今年から共学となった“元”男子校であるため、女子は一人もおらず現在進行形で男子校と成り果てていた。 そんな中丸高等学校だが、一目置かれていたりする。 勉強が出来る、とか 部活動が盛ん、だとか いい理由ではないが 全国から逸材の不良が集まる学校なのだ。 力のある不良は、この学校でナンバーワンになるのが夢なのである。 中でも2年G組は 一番逸材の不良が集まるクラスだった。 担任は、元中丸学校の生徒会長。 いくら現代の不良といえども、元生徒会長に勝てる不良はいない。 中丸学校の不良達が唯一言うことを聞く先生だ。 「さて、ホームルームを始めっぞー。あ、その前に!オメーらにグッッッドニュースがある」 担任の 堺先生がそう言うと、クラスは一気にざわめき始めた。 なんだよー、はやくいえよー、とニヤニヤする不良達は前置きを聞いただけで嬉しそうな表情になる。 「実はな、実は...」 「あーもっ!早く言えや堺コルァ!」 「水崎黙れ。うっせえ、実は、このクラスに転校生がきた。しかも双子姉妹」 堺先生がそう告げた途端、不良達のテンションは一気に上がった。 女だ!可愛い?やっと共学になったー! 様々な声が上がるなか、堺先生はドアの方に入っていいぞー と声をかけた。 暫く間を置いて、ドアが開き始める。 ガラリ、とゆっくり開いたドアから出てきたのは、黒髪でおかっぱの美少女と、金髪でふわふわのパーマの可愛い双子姉妹だった。
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