01 「双子の転校生」

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「やっっべ!激カワ!左の子好み!」 「ガチの美少女じゃん!名前なんてーのー?」 「なー!オレと付き合わねー?」 「ばっか、俺と付き合うよねー、ってかデートしようぜ!でえと!」 不良達の声のあまりのうるささに顔をしかめる美少女と、ビビって今にも泣きそうな可愛い少女。 堺先生もさすがにうるさいと感じたのか、静まれ!と一喝した。 途端にシーン、と静まりかえるクラス内。 「じゃ、自己紹介頼む」 普段見せない笑顔で 二人に優しく接する堺先生。二人は はい、と同時に言って小さく深呼吸した。 左の金髪のパーマの少女が一歩前に出る。 「ぇと、わたし、めがる みのるっていいます。めがるは、新芽の芽に、がるは苅るって漢字で、みのるは木の実の実です。よろしくお願いします」 今にも泣きそうな表情で、丁寧に小さく喋る彼女に、男達は一瞬で虜にされていた。最後にぺこり、とお辞儀をして一歩下がる。 同時に一歩出た黒髪のパッツンの少女。 双子とあって、息はピッタリだ。 「芽苅 咲です。よろしく」 終始無表情でそれだけ言って一歩下がる彼女に、不良達は え?それだけ?と心のなかで呟いた。 「さ、ホームルーム終わり!芽苅姉妹、くれぐれも暴行に巻き込まれないように、気をつけて平和な生活をしてってな!お前ら!この二人に何かしたら即刻退学だからな!女子が来たって浮かれんじゃねえぞ!」 これからよろしくな!にこやかな表情でホームルームを終わり職員室に帰っていった堺先生。 不良達はそれを見送ると席を立ち、二人に近づいて行く。 「咲ちゃん、実ちゃん、よろしくねぇ~」 「どこすんでんの?今日 俺ん家来ない?」 「もしかして処女?ね、セフレとか興味ない?」 「放課後まわそうぜ」 「おっ いいねー。放課後待てねーから屋上行って今からしようぜ」 「実ちゃん心配そうな顔しなくてもダイジョブだよ~ キモチイイコトするだけでちゅからね~」
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