1人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっっべ!激カワ!左の子好み!」
「ガチの美少女じゃん!名前なんてーのー?」
「なー!オレと付き合わねー?」
「ばっか、俺と付き合うよねー、ってかデートしようぜ!でえと!」
不良達の声のあまりのうるささに顔をしかめる美少女と、ビビって今にも泣きそうな可愛い少女。
堺先生もさすがにうるさいと感じたのか、静まれ!と一喝した。
途端にシーン、と静まりかえるクラス内。
「じゃ、自己紹介頼む」
普段見せない笑顔で 二人に優しく接する堺先生。二人は はい、と同時に言って小さく深呼吸した。
左の金髪のパーマの少女が一歩前に出る。
「ぇと、わたし、めがる みのるっていいます。めがるは、新芽の芽に、がるは苅るって漢字で、みのるは木の実の実です。よろしくお願いします」
今にも泣きそうな表情で、丁寧に小さく喋る彼女に、男達は一瞬で虜にされていた。最後にぺこり、とお辞儀をして一歩下がる。
同時に一歩出た黒髪のパッツンの少女。
双子とあって、息はピッタリだ。
「芽苅 咲です。よろしく」
終始無表情でそれだけ言って一歩下がる彼女に、不良達は え?それだけ?と心のなかで呟いた。
「さ、ホームルーム終わり!芽苅姉妹、くれぐれも暴行に巻き込まれないように、気をつけて平和な生活をしてってな!お前ら!この二人に何かしたら即刻退学だからな!女子が来たって浮かれんじゃねえぞ!」
これからよろしくな!にこやかな表情でホームルームを終わり職員室に帰っていった堺先生。
不良達はそれを見送ると席を立ち、二人に近づいて行く。
「咲ちゃん、実ちゃん、よろしくねぇ~」
「どこすんでんの?今日 俺ん家来ない?」
「もしかして処女?ね、セフレとか興味ない?」
「放課後まわそうぜ」
「おっ いいねー。放課後待てねーから屋上行って今からしようぜ」
「実ちゃん心配そうな顔しなくてもダイジョブだよ~ キモチイイコトするだけでちゅからね~」
最初のコメントを投稿しよう!