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なんだこいつらは。
咲の第一の疑問。キモチワルイ。
馬鹿なことしか考えてなさそうだな。
咲はふっ、と薄ら笑いを浮かべた。
それに気付いた坊主の怖顔の不良。
「あ"ー?なに笑ってんだー?咲ちゃんよぉ、」
力強く頬を掴まれ、顔を不良の顔に近付けられる。
おえっ。口に出そうな吐き気を我慢し、次の瞬間、なんと唾をペッ、と相手の顔に吐き出した。
一瞬固まるクラス内。
そして自分の顔を掴んでいる相手の腕を掴み、力を込めた。ボキッ、と腕から音がし、不良はあ"あぁぁあぁあぁぁぁ!!!と叫びながら傷みに顔を歪める。
それを見ていた実は、先程の泣きそうな表情はどこへやら、といった満面の笑みで笑い始めた。
「ぎゃははははっ!!イイカオしてる~!やばっ、汗めっちゃでてんじゃん!マジウケるんですけど!ぎゃははっ!」
実の大笑いに、なにがなんだか分からず茫然とする不良達。
腕を折られた坊主は、額に青筋を立てて片方の手で咲に殴りかかる。
が、それは呆気なく実の手に捕まった。
固まる坊主の不良。
腕をがっしりと掴んで楽しそうな表情の実。
「ね、名前なんてーの?」
「はっ? な、長野 アキラ」
やばい、とさすがに感じるも、突然の質問に拍子抜けし、ビビりながら答える長野アキラ。別名ハゲ。
質問の答えを聞いて、実は笑みを深める。
「アキラ君。おれ達二人に敵うと思ってんの?馬鹿でちゅか?ふふっ」
急に一人称が変わり、たじろぐ周りの不良達。
それよりも、実の状況に相応しくない笑みに恐怖を感じた。
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