01 「双子の転校生」

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「チッ、顔が穢れた。ありえない」 赤のハンカチで顔を拭く咲。だが、それを見て不良達の顔は強ばった。 なんと、拭いているどころか赤色が頬にべったりと付いているのだ。 それに気付いた実は、アキラの手を離し、咲に笑いかける。 先程までの狂気染みた笑みではなく、登場してきた時と同じ柔らかな笑みだ。 「ぎゃはっ、ちょっとー、咲ってばそれさっき返り血で濡れたやつじゃーん。顔に血がついてるよ~」 「げっ、穢らわしい。おい、そこのハゲこれ洗ってこい。真っ白になるまでだ。ほれ」 ペチャ、と血で赤く染まったハンカチをアキラの顔に投げつける。 アキラの額には再び青筋が浮いた。 「なんなんだよテメーらはよぉ、あん!?っざっけんじゃねえよ!女ごときにオレ等が負けっかよ!誰がハンカチなんか洗いに行くかボケぇ!」 叫びながら、再び襲いかかろうとする。 その叫びに周りの不良達もそうだ!と便乗して実と咲を戦闘体制で囲んだ。 それでも終始笑顔の実と、無表情の咲。 「二回も言わせなんなよ」 はあぁ~と、実は大袈裟に溜め息をつく。 咲は 低脳ばかりだから許してやれ、と完全に馬鹿にして言う。 「「おれ(わたし)達に敵うと思ってんの?」」
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