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「チッ、顔が穢れた。ありえない」
赤のハンカチで顔を拭く咲。だが、それを見て不良達の顔は強ばった。
なんと、拭いているどころか赤色が頬にべったりと付いているのだ。
それに気付いた実は、アキラの手を離し、咲に笑いかける。
先程までの狂気染みた笑みではなく、登場してきた時と同じ柔らかな笑みだ。
「ぎゃはっ、ちょっとー、咲ってばそれさっき返り血で濡れたやつじゃーん。顔に血がついてるよ~」
「げっ、穢らわしい。おい、そこのハゲこれ洗ってこい。真っ白になるまでだ。ほれ」
ペチャ、と血で赤く染まったハンカチをアキラの顔に投げつける。
アキラの額には再び青筋が浮いた。
「なんなんだよテメーらはよぉ、あん!?っざっけんじゃねえよ!女ごときにオレ等が負けっかよ!誰がハンカチなんか洗いに行くかボケぇ!」
叫びながら、再び襲いかかろうとする。
その叫びに周りの不良達もそうだ!と便乗して実と咲を戦闘体制で囲んだ。
それでも終始笑顔の実と、無表情の咲。
「二回も言わせなんなよ」
はあぁ~と、実は大袈裟に溜め息をつく。
咲は 低脳ばかりだから許してやれ、と完全に馬鹿にして言う。
「「おれ(わたし)達に敵うと思ってんの?」」
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