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「わわわわわ!なんだよ!?」
寺松は殴るのではなく、逆にオレを抱き締める。
「優一は本当にかわいいね。そうやって僕を煽ってるんでしょ?」
いやいやいや…なんでそうなるんだよ!?
「昨日もあんなに可愛かったのに、優一は時が進むごとに可愛くなっていくんだね。」
昨日?
………………………あわわわわ………
寺松は更に腕に力を入れる。
オレは顔に血がのぼり過ぎて思考が停止した。
昨日………うっすらとしか思い出せないがオレと寺松はいかがわしいことを……。
ちちちちっがう!!
あれは夢だ!!
「し………知らねぇぞ!?なんでオレがお前なんかと変なことしないといけないんだよ!そもそもオレは人間じゃないし…!大体寺松、そっちの気の奴だったのかよ!?」
まぁ、オレもだけど………
こんな美人なら女にこまんねぇだろーし………!!
寺松は困った様に、オレを見つめる。
恥ずかしくて、オレは顔をそむけたけど…。
寺松はまたオレの耳元で甘い言葉を囁く。
「ちがうよ?僕は男女関係なく、優一が好きなんだ。」
生暖かい息がオレの耳にかかる。
体はないのに、鳥肌が立つ気がする。
寺松がしゃべる度に、ゾクゾクとしてしまう。
ないはずの心臓だってはち切れそうだ。
止めさせようにも、がっちりホールドされてるから逃げられない。
されるがままだ。
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