211人が本棚に入れています
本棚に追加
※玲汰side
俺は重たい体を無理矢理起こして、学校に行く準備をしていた。
昨日は一睡も出来なかった。
ずっとベッドの上で、優一の顔が浮かんできて…。
後悔と未練が俺の中で渦巻いていた。
本当はここから動きたくないが、学校には行かなければいけない。
とりあえずリビングに行く。
テーブルには冷たい朝食が一人分置いてある。
俺の両親はいるようでいない。
母親も父親も、それぞれ好き勝手遊びまくってるからほぼ毎日家にはいない。
いっそ離婚すればいいのにと何度も思った。
俺はこんな親にはなりたくないと思った。
だが、結局はそんな両親から産まれた子供。
心の片隅で、自分が良ければそれでいいと思っているのだ。
だから、優一も弄んだのかもしれない。
ただの友達なら、優一は死ななかったのだ。
朝食に手をつけようとしたとき、ふと思い出した。
いつの日か、優一が作ってくれた下手くそな手料理を…。
俺は嫌々食べたが、あれは食べれたものではなかった。
しょっぱすぎて、所々焦げが目立つ。
よくもあんなものを恋人に食べさせようと思ったものだ。
今では、そんなものまでいとおしい。
俺はそのまま朝食はとらずに家を出た。
最初のコメントを投稿しよう!