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だが、先客がどうやらいたようだ。
「…ん…か………そ…な中途半…じゃダメだ……優一…」
優…一…?
たしかに先客はそういった。
俺は聞く耳を立てた。
そしてジリジリと距離をつめる。
その“先客”の後ろ姿は確認できた。
だが、どうも不可思議な格好をしていた。
まるで、なにかを抱き締めているかのようだ。
だが、そいつ以外、そこには居なかった。
俺は少し気味が悪くなった。
誰もいないのに…
そしてそいつはこう言ったんだ。
「優一…?昨日はあんなに素直だったのに…」
完璧に優一と…。
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