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「お、お風呂沸いてるよ…?」
姉さんは顔を赤くしたまま、気まずい雰囲気を強引に変えようとする。
「うん、入ってくる」
僕はそんな姉さんの気持ちを察して、早々と風呂場に向かった。
「よいしょ……」
脱衣場で上着を脱いで、洗濯機の中に入れようとした時だ――
「これ…は……」
女物の下着……つまり、姉さんの下着に目がついた。
「……」
不覚にも一瞬僕は迷った。迷ってしまった。
姉の下着(着用後限定)が宝物だと思うくらい魅力的だと感じる僕はすでに末期なんだと、自分でも認めざるをえない。
僕は隠すように姉さんの白い下着の上から上着を被せた。
「あーイイ湯だった」
風呂から上がった僕は、パジャマに着替えてリビングに入った。
姉さんがソファーに座って、ブツブツ呟いている姿を発見する。
「だめなんだよ私達は姉弟で、確かにあき君とそういう関係になれたら私としては嬉しいけれどもやっぱり姉弟だから法律的にダメなわけで…例えあき君が望んでも……あ、でもあき君とそういう関係になるのが嫌というわけじゃなくて……ぅぅ」
「姉さん?」
目の前に来ても、気付いてくれなかったので声をかけてみた。
「――あ、ああああき君!?」
ようやく僕の存在に気付いてくれた姉さんだったが、驚きのあまり座ったまま跳ね上がった。
「ご…ごめん姉さん…びっくりさせちゃったね」
僕の申し訳ない言葉に姉さんがあたふたと慌てだした。
「だ、大丈夫でござるよっ」
「…ござるよ?」
「…………………………ございますよ」
姉さんの顔がこれ以上ないくらい赤い。
姉さんはしゅんと落ち込んで、下に俯いた。
ちょっと…なにこの姉、凄く可愛いんですけど
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