プロローグ

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俺の名前は日野 緋色(ひの ひいろ)23歳だ。 これまでの人生はろくにいいこともなかった。 小学校は親に振り回され5つの小学校を転々とし、小学校6年になってすぐ、母親が家のお金を持って逃げてしまい、親父は仕事が忙しく朝は早く夜は遅い。 小学校6年じゃ親がそんなんじゃまともに生活なんてできない。 そして最終的には施設に入れられた。 もちろん荒れた、恵まれない子どもというレッテルをはられ、どいつも可哀想だとか、頑張れだとか、そういう扱いをされるのもうんざりだった。 少しでも普通になれるよう学生の頃はやんちゃをするようにした。 少しでも哀れまれないように… 高校も普通の公立の工業高校に通い、特になにもなく卒業できた。 しかし高校生になっても施設の門限やらなんやらで縛りがきつかったせいか、ほとんど一般的な青春を味わうことができなかった。 ここを出れば変われる、もう少しの我慢と自分にきつく言い聞かせ、なんとか耐えて、無事卒業した、もちろん大学には行かずすぐに就職した。親に迷惑をかけるわけにも……まぁ親父は親父でも義理の父親なんだよな。 かなり時間が空いたせいか今更一緒に暮らそうとも思わなかった。 母親に至っては見たくもない。 見たらなにするかわからないからな。 まぁそんなこんなで無事施設も出れて、就職先もそこそこ大手に就職できた。 あぁ高校では多少は勉強も部活もマジメにやってたから、成績は大体学年トップ10にはいるくらいにはいたからな。 まぁでも3年位でやめちゃったけどな。 サービス業で割りと自分のお客さんも多かったし、それだけの人数を管理したり、相手したりしてるとストレスがすごくて不眠症になったりもして、耐えれなくてギブアップ。 そこから大変だった。 その3年間は今までの反動か遊び呆けてたから貯金なんて、ありゃしないし、むしろ逆、借金ばっかりだった。 彼女もできたけど、基本的には一人でパチスロに行ってることのほうが多かったしな。 もう絵に書いたようなダメ男だった。 なにも考えずに辞めたから、すぐに仕事なんて見つからないし、結局半年位無職で高校のツレに世話になってた。 もちろん借金も返済できなくなって破産した… なにもかも失ってどん底に落ちた。 これからどうしよう… 死のうと思った時も多々あった。 でもこんなとこで死ねるか!てな感じで乗り越えた。 そして俺はこの夏とりあえず生きるためにパチンコ屋でバイトを始めた…
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