第二話

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 サタンが帰った、10秒後。 『無事終わったぁぁぁあっ!』 オブシディアンがそう叫びながら突然ガッツポーズをした。 そんな彼を見ながら、フェイスは思わずため息を吐く。 「聞こえてたらどうすんだ」 『大丈夫さ、魔界の他の部分とのつながりは切ったから!』 何事もなかったかのような顔でオブシディアンは親指を立てた。 「良いのかよ、それ……」 『あ、そーだ』  フェイスが頭を抱えかけた直後、彼の目の前の邪神は少しばかりマヌケな声を出す。 『フェイス、何か欲しい能力はない?』 「欲しい能力? ……まず把握する能力だな。 自分の力量がわからないと、加減も出来ない」 フェイスが瞬時に答えれば、オブシディアンは目を見開く。 『……人化すれば人並みになるんだけど……まぁ良いか』 彼は何処からかメモを取り出し、書き留める。 『他には?』 「……あっちの基礎知識かな、予備知識は自力で手に入れる」 『基礎知識、と』 オブシディアンが書き取ったのを確認したフェイスは、『それで十分だ』と口にして、頭を掻く。 『え、こんなに少なくて良いの?』 「この体の時点で最強に近いだろうが」 フェイスがそう言えば、オブシディアンは納得したような顔をした。
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