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サタンが帰った、10秒後。
『無事終わったぁぁぁあっ!』
オブシディアンがそう叫びながら突然ガッツポーズをした。
そんな彼を見ながら、フェイスは思わずため息を吐く。
「聞こえてたらどうすんだ」
『大丈夫さ、魔界の他の部分とのつながりは切ったから!』
何事もなかったかのような顔でオブシディアンは親指を立てた。
「良いのかよ、それ……」
『あ、そーだ』
フェイスが頭を抱えかけた直後、彼の目の前の邪神は少しばかりマヌケな声を出す。
『フェイス、何か欲しい能力はない?』
「欲しい能力? ……まず把握する能力だな。 自分の力量がわからないと、加減も出来ない」
フェイスが瞬時に答えれば、オブシディアンは目を見開く。
『……人化すれば人並みになるんだけど……まぁ良いか』
彼は何処からかメモを取り出し、書き留める。
『他には?』
「……あっちの基礎知識かな、予備知識は自力で手に入れる」
『基礎知識、と』
オブシディアンが書き取ったのを確認したフェイスは、『それで十分だ』と口にして、頭を掻く。
『え、こんなに少なくて良いの?』
「この体の時点で最強に近いだろうが」
フェイスがそう言えば、オブシディアンは納得したような顔をした。
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