第二話

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 その後オブシディアンが指を鳴らすとフェイスは突然頭を抱えた。 うめき声をどうにか抑えながら、その場にしゃがみ込む。 しばらくして、それが終わったのか、フェイスはゆっくりと立ち上がった。 「……なるほど、今ので能力が入ったのか」 『うん、いきなりごめん』 話しながらも自分につかみ掛かってきたフェイスの肩を押しながら、慌てて謝るオブシディアン。 少しして彼が離れると、明らかにホッとした。  フェイスは、把握する能力によって、この体がどんな力を持っているのかを把握していた。 内容は、次の通りだ。 指定した物を指定した相手から拒絶する『指定拒絶』 英雄から能力を回収したり、闇を操作したり、相手の心を透視したりする『邪目』 人間の姿になり、力も人並みになる『人化』や、指定した獣の姿と力になる『獣化』 魔力は京単位。 魔王が作り出した悪魔のみが持つ、1人だけなら生命も創造可能な創造能力。 魔王の1/3ほどの身体能力。 相手から強制的に戦意を奪う『戦意剥奪』。ちなみに本来の姿ならば威力は倍だ。 『邪の統治者』はフェイスの体が持つオリジナル能力、つまりは作り手であるサタンが付けた能力だ。 魔王と悪魔以外の闇に生きる者を、自由に操る事ができる。 そして、望んだ物を全て把握可能な『把握』。 確認し終えたフェイスは、思わず口を開く。 「やっぱり、チートじゃん」
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