第三話

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 暗闇を抜けると、オブシディアンが言っていた通り真っ青な空だった。 フェイスは羽をはばたかせると無事に着地する。 「よし、『人化』」 そう呟くと髪が少し縮み、頭からは角が消えた。 手鏡が手の中にないという事象を拒絶すると簡易な鏡が現れる。 「目は赤、なのか」 そう呟くフェイスの目はサタンや邪神と同じく、澄んだ赤だった。  直後、彼の耳に誰かの泣き声が入る。 声の高さからして少年だろう。 「……主人公だな。 うん、無視決定」 そう言った後彼が少し動くと、誰か他の男性の声が聞こえ、どちらも消えた。 ギルドマスター辺りが助けたのだろうと考え、フェイスは歩みを進める。
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