第三話

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 しばらく歩くと開けた場所に出て、森の主らしき熊の形をした魔物と戦っている3人組が見えた。 フェイスが把握したいと望むと彼等の情報が頭に浮かぶ。 「ヒーローとヒロイン2人が依頼進行中、か……しかもヒロインは双子。 相手の魔物は……子供を襲われた怒りか」 把握し終えるとフェイスは仕掛けた。 ヒーロー達3人には倒せたように見える術をかけ、魔物を守ると言う物だ。 直後、ヒロインの片方が放った火の玉が当たったように見え、砂煙が上がったように見える。 それが晴れると魔物の幻覚は倒れており、ヒーロー達は意気揚々と消えていった。 悪魔の身体に入っているからか魔物に対して怖いと思わないフェイスは普通に口を開く。 「転移したか……良かったな、森の主」 『っ! お主、何故会話できる』 そう伝えてきた相手が身構えると、彼は苦笑しつつ再び口を開く。 「今は人化してるだけだからな。 僕はフェイス、貴方は?」 『――ワイルドベアだ。 名は無い』 「そうか」
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