第四話

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 フェイスは中に入ると辺りを見回す。 予想に反して酒場は併設されておらず、広々としたフロアは集会場のようになっている。 「医務室はそちらになります」 先ほどの少女が指差す先には、確かにこの世界の文字で医務室と書かれたプレートが掲げられていた。 彼女に礼を告げると彼はそこに向かう。 中に入ると、暇そうにしている白衣の人物が1人、回る椅子に座っていた。 彼はフェイスに気づくと口を開く。 「……おや、珍しいねぇ……同種が入ってきた」 「っ! どういう事でしょうか?」 フェイスは慌てたように言い、彼の前に置いてあった椅子に座った。 白衣の男はにやりと笑う。 「私も悪魔なのさ。 種族はインキュバス、名はルーカだ。 もちろん隠しているし節操もあるがねぇ」 「話して、平気なんですか?」 フェイスが尋ねると白衣の男――ルーカは頷き、口を開いた。 「問題無いよ。 外には聞こえないようにしてあるんだ――で、君は?」 「僕は……体は悪魔ですが中身は違います。 転生体です」 「ほう!」 フェイスの言葉に反応し、ルーカは興味深そうに彼を見る。 何かに気づいたのか、再び口を開いた。 「邪神には会ったんだろう? これはサタン様の作られた、フェイス=サタニアの体だ」 「っ!」 フェイスは思わず息を呑んだ。
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