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邪神が動き出した為、誠は慌ててその後に続く。
彼等がしばらく行くと、突然目の前に黒地に金色の取っ手が付いた扉が現れた。
『開けるよ。 魔界のとある場所への扉だ』
「あ、あぁ」
彼が返事をすれば、邪神は扉を押し開ける。
中を見て、誠は思わず息を呑んだ。
周りも、空も、地面も全て黒、だが少しずつ違う黒だ。
そしてその空間の真ん中に、腰程まである漆黒の髪の悪魔が浮かんでいた。
風も無いのに髪はふわふわと動き、その間から見える茶色の角は見た目ヤギのようで長い。
『美しいでしょ? 悪魔は醜くなんか無いんだ』
「あぁ、こうして見ると、人形――ビスクドールみたいだ」
『これに君が入るんだよ』
そう言った直後、邪神は誠の背中を勢いよく押し、悪魔の目の前まで近づいていた誠は、中に押し込まれた。
(あれ……もっと何かねぇの!?)
思わず、誠はそんな事を考えた。
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